スピッツ ハヤブサ その① 紹介・評価
Amazon.co.jp: スピッツ, 草野正宗, 石田小吉 : ハヤブサ - ミュージック
発売年月日:2000年7月26日
週間最高順位:3位
売上:36.8万枚
2000年度のアルバム売上枚数:年間56位
※注意
独断と偏見による歌詞考察をしています。「おめえの妄想なんか見たかねえ」って人は その②全体感想 を飛ばしましょう。
本人たちの意向を無視したベストアルバム『RECYCLE』が発売された後、最初に発表されたアルバムです。9枚目のオリジナルアルバムは、それまでのスピッツとこれからのスピッツを大きく印象付けました。
曲目(青字はシングル曲)
- 今
- 放浪カモメはどこまでも album mix
- いろは
- さらばユニヴァース
- 甘い手
- Holiday
- 8823
- 宇宙虫
- ハートが帰らない
- ホタル
- メモリーズ・カスタム
- 俺の赤い星
- ジュテーム?
- アカネ
作品紹介
収録シングルは 2.放浪カモメはどこまでも、10.ホタル、11.メモリーズ の三曲。ただし、2.放浪カモメはどこまでも、11.メモリーズはアルバムverとなっています。
前年に『RECYCLE』が発売され、売上を伸ばしていた時に発売された『ハヤブサ』は、大きく変化したスピッツ像を描いていました。
話は遡り1998年、前作『フェイクファー』でメンバーは大いに苦しんでいました。一つ目はリスナーとメンバーの乖離です。スピッツについて、世間のイメージは「ポップな、優しい、棘のない」といったものです。しかし、本人たちはもともとロックやパンク志向で、そのイメージとの乖離に苦しんでいたそうです。(以前紹介したWANDSの上杉昇はWANDS時代を「アイドル」時代と例えていた、というのと被りますね)
もう一つはスランプに陥ったということです。ギターの三輪テツヤは急に引けなくなったこともあるそうな。ただし、この時の苦労は後に、ライブバンドとしてのスピッツを築いていくのに必要なものだったと今は思えます。その後、『RECYCLE』の発売。これは割愛しますが、大きく影響を与えたことは間違いないでしょう。
そして、『ハヤブサ』です。シングル『メモリーズ/放浪~』でリスナーは「?」となった後、『ホタル』で切ないスピッツを再確認。さて、どう来るか。そこでスピッツが示した姿は「ロックバンド・スピッツ」でした。
曲の感想
特に記載のない場合、作詞・作曲:草野正宗、編曲:スピッツ&石田小吉
1.今
名刺代わりの一曲。いきなりロックな曲がこのアルバムの開幕を告げます。おや?なんか変だぞ? となったリスナーは、すぐこのアルバムに意識を持っていかれたことでしょう。私もその一人でした。
2.放浪カモメはどこまでも album mix
またもやロック。実はドラムがすげえとなる曲。それでもしっかりとメロディを聞かせるところはスピッツらしい。このあたりで、アルバムの方向性が分かってくるのではないでしょうか。
3.いろは
打ち込みから入ってくるスピッツにしては珍しい曲。ガンガンと攻めてきています。歌詞の語感が素晴らしく、草野マサムネという詩人の魅力が詰まっている曲です。
4.さらばユニヴァース
ここで少しペースダウンです。それでも、まだまだポップではなくロック。切ないメロディに乗せる切なく、よくわからない歌詞。隠れた名曲です。
5.甘い手
一転、バラード系の曲を入れてきました。そして、スピッツには珍しい6分を超える曲です。ブリティッシュぽいメロディに、マサムネの高音が調和した壮大な曲。
ヤバイ曲。何がやばいかというと歌詞がヤバイ。完全にス〇ーカー。歌詞については全体感想で触れることにします。この曲はアップテンポなメロディがたまらなく狂おしい。ようやくポップな曲が来てファンは安堵したのかな? ファンよりも、普通のリスナーのほうが安堵したのかもしれないですね。このアルバムで2番目にお気に入りの曲。
7.8823
今やライブの定番曲。ブリティッシュロックを想起させる曲で、カッコいいスピッツといえばこの曲を挙げます。静かな入りからサビでギター炸裂!癖になる曲です。
8.宇宙虫 作曲:三輪徹也
インストゥルメンタル。これまでの騒めきが嘘のようにしんみりと聞かせます。考察をする際に、このアルバムのカギを握る曲だと私は踏んでます。
9.ハートが帰らない
デュエット曲。切ない感じのする曲です。そして、確実に何かが起こったことを告げている歌詞。サビが圧巻で、とてもいい仕上がりになっていると思います。
10.ホタル
アルペジオが美しい。ホタルというタイトルがまさにドンピシャの名曲です。せつなくて、それでいて力強い。歌詞が心に突き刺さります。
シングルの『メモリーズ』からロックな方向に進化しました。大サビが加わり、迫力が増しています。でも、私が一番聞いてほしいのはドラムです。めちゃくちゃカッコいいです。崎山さんは隠れた実力者であるということが、一発でわかるロックな曲。
12.俺の赤い星 作曲:田村明浩
ベースのリーダーこと田村作曲。相変わらずロックだー。しかし、歌詞は少々含むところが有り気。ヘヴィな演奏がカッコいい曲です。
マサムネの弾き語りと二胡を用いた切ない名曲。タイトルはフランス語で「愛しています」という意味。また、歌詞がすごい曲で解釈が難しい。感動する曲です。
14.アカネ
最後を飾るのは「アカネ」。メロディアスで切ない、それでいて強い、そんな一曲。歌詞が大変に素晴らしく、私はスピッツの中で一番好きな曲です。スピッツの魅力がすべて詰まっています。美しい歌詞、ギターのアルペジオ、歌うベース、聴かせるドラム、そして澄んだボーカル。今でも何かあるとこの曲をよく聞きます。
評価
歌詞:測定不能/10
曲:10/10
演奏:10/10
歌唱:10/10
お気に入り度:測定不能/10
総合:測定不能/50
(評価になっていなくてごめんなさい!)
その②に続きます。良かったら見てください!