安全地帯 「安全地帯Ⅳ」
発売年月日:1985年
LP、CT:11月24日 CD:12月10日
週間最高順位:1位
売上:93.9万枚
1986年度のアルバム売上枚数:年間1位
大ヒットを飛ばした安全地帯の4枚目のアルバムです。
全曲が作詞:松井五郎、作曲:玉置浩二、編曲:星勝・安全地帯、となっています。
収録曲 (青字はシングル曲)
- 夢のつづき
- デリカシー
- 碧い瞳のエリス
- 合言葉
- こしゃくなTEL.
- 消えない夜
- 悲しみにさよなら
- 彼女は何かを知っている
- ガラスのささやき
- ありふれないで
作品紹介
収録シングルは 7.悲しみにさよなら、3.碧い瞳のエリス の2曲。どちらも好セールスを記録したことから、アルバムへの期待も高まっていたことが想像されます。
実際に発売すると、週間1位、90万枚を超える売上、86年度のアルバム売上年間1位と、安全地帯がトップアーティストとしての地位を確立する一枚となりました。
曲の感想
1.夢のつづき
1曲目からバラードで少々びっくりしました。しかも、安全地帯のイメージと違って明るい曲ときた。
本当にしっとりとしていて優しい、歌詞・メロディー・歌唱・演奏で、素晴らしい一曲に仕上がっています。
2.デリカシー
いや~、たまりませんなあ。囁きかける玉置浩二の声から入り、Bメロで少し張り上げて、サビでまた囁く。どこか淫靡な香りを漂わせながら、タイトに刻まれていくリズム。安全地帯の魅力がこれでもかと詰まった一曲。
3.碧い瞳のエリス
ヒットシングル。CMでも起用されています。今度はちょっと暗めのバラードで、少女を意識したような印象です。アルバムの中だと少しパンチが弱いかな。
4.合言葉
非常にメロディアスな一曲。幻想的な音を奏でるギターが特徴的。「安全地帯Ⅴ」以降の片鱗を感じます。
5.こしゃくなTEL.
一転変わって、明るい曲に。ライブだと早めの仕上がりですが、アルバム版はミドルテンポくらいとなっています。すごくはっちゃけてるので、個人的にはライブのほうが好み。
6.消えない夜
しっとりとしたまさに、これぞ夜の曲。満月が似合います。儚くて幻想的な消え入りそうな美しさがあふれ出てきているような仕上がりです。メロディが純粋に素晴らしいです。
7.悲しみにさよなら
大ヒットシングル。安全地帯の暗いイメージはこれで払しょくされたのかな? この曲は歌詞が大好きです。男と女の優しさと怖さがふんだんに描かれていて、大人の世界を感じます。あと、転調するところがたまらなく好きですね。そりゃあ、この曲は売れるわ。
8.彼女は何かを知っている
意味深なタイトルです。曲もちょっと不思議な入り方をしますが、そのあとのメロディーが本当にきれい。アップテンポなのにメロディーがきれいに残っていて、本当に天才の一言としか言えません。
9.ガラスのささやき
歌謡曲よりの曲ですね。サビの最後の方がとても素敵。切ないメロディーの中に悲しい歌詞が歌われていて、グッとくるものがあります。
10.ありふれないで
歌詞に載っていない、「抱きしめてもいいだろう~♪」から入る曲。ちょっと驚きますが、曲を聴いてその素晴らしさにまた驚く。そして、タイトルの「ありふれないで」が本当に響く。2番の頭に出てくるこの詩で、いつもこみあげてくるものがあります。名盤の最後を飾るのにふさわしい一曲です。
全体感想
たった10曲に濃密な時間が詰まっていて、完成度が高い隙の無いアルバムです。曲の配置も申し分なく、歌詞、メロディー、演奏、歌唱と、どれをとっても最高水準にあります。
86年度の年間1位になるのも大納得です。それどころか、80年代で10枚アルバムを選べと言われたら、間違いなく入れなければ入れない一枚といっても差し支えない。
古臭いアレンジがなされていないのも好印象。そこにバンドとしての安全地帯の凄さを垣間見ることができます。次の「安全地帯Ⅴ」は少し雰囲気が変わり、バンドというよりプロジェクトだったと、本人たちが語っていることからバンドとしての安全地帯を聞きたい人に最高の一枚となること間違いなしです。
もし安全地帯のアルバムで迷っていたら、ぜひともこのアルバムから聞いてみるのをおススメします。絶対に損はしません。まあ、安全地帯は全アルバムが高い水準ですので順を追ってみるのもアリだと思います。
評価
歌詞:10/10
曲:10/10
演奏:10/10
歌唱:10/10
お気に入り度:10/10
総合:50/50
最後までご覧くださってありがとうございました。